思った。

タバコを買いに自販機まで歩いている途中、安井先輩に声をかけられた。

「久しぶり、元気してる?」

安井先輩というのは僕の高校の時の2つ上の先輩でバスケ部のキャプテンをやっていた人である。

その安井先輩の首が安井先輩の腹部にめり込んでいた。

「首を腹に入れたら肩こりがなくなったんだよ」と安井先輩は朗らかに言う。

僕はこれは夢だなぁ、と思った。

安井先輩とは入学する前に軽く話しかけられたことがあるだけで

ほとんど喋ったことがないので、こんなに気さくに話しかけてくるはずがない。

なので僕はこれは夢だなぁ、と思った。

思った。