炎を操る能力

潰してはいけないって分かってるんだけどついつい潰してしまうなぁ、と思いつつライターの火であぶった針を右腕にできた水ぶくれに突き刺す。

あいた穴から膿の混じった黄色く濁った水がゆるゆるとあふれてくるのをティッシュで拭き取りながら気を失いそうなほどの目眩を感じる。

もう誰とも戦いたくはないと願う彼は明日も誰かと戦う。

エンターテイメント

エンターテイメントでやっている。

誰かを楽しませようという気持ち以外に行動原理はない。

だから何をしてもいいかと言えばそうではないし、ジョークだから怒るなよ、と言う気も一切ない。

ただ、意図だけは理解してから話しかけてきてくれ。

叱られてもいいし、じっくり議論したってかまわないんだけど、分かってない人とはお話にならないので、お話したくない。

動物と話すよりもむずかしい。

若者の現実離れ

感情を1ミリでも自分の外側に出すと寿命が縮むような世界観で生きている人たちの死んだ目をとらえて離すことができなくなっているくらいに夢中にさせている対象はわざとらしいくらいオーバーリアクションに感情を噴出させて暴れまわる個性豊かなキャラクターたち。

能面がへばりついたような顔に空いた穴から低い笛のような音が漏れてきて耳をすましてよく聴くと「わかるぅ、わかるぅ」というようなことを言っているんだということがかろうじて判断できる。

お前らには一生何も分からない。