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事実の羅列

バイト先の休憩室で社訓の書いてあるホワイトボードをぼんやり見つめながらお茶を飲んでいると、

主任が入ってきて、本社から役員が来てるので挨拶するように、と僕に言う。

僕は早速事務室に向かい、その役員におはようございます、新入りです、と挨拶をする。

役員はよろしく、と言ったあとにやや間を置いて、髪が気になるな、と前髪を払う仕草を見せる。

僕は髪を切りたくないので、無言の曖昧な笑顔で対応。

今日暑いね、と話題を変える役員。

暑いっすね、ここ2、3日かなり暑いです、と話題に乗っかる僕。

うん、髪切ったほうがいいよ、と話題を戻す役員。

僕は髪を切りたくないので、無言の曖昧な笑顔で対応。

意味のない時間が流れる。

役員が黙って部屋を出たので、お疲れ様です、とやや声を張って頭を下げる。

僕は休憩室に戻り、社訓の書いてあるホワイトボードをぼんやり見つめながら

髪切ろうかな、と思った。

何をかは言わないけども

失ったとき分かるんじゃなくて、手に入れたとき分からなくなるんだと思う。

そういう夢

テニス部のミーティング中にパンを食っていたら、

先輩に「監督が話してる時にパン食うな!」と叱られる。

 

先輩は普通に注意してくれたんだと思うけど、

僕は前日その先輩に試合で勝ってしまっていた。

 

周りからは

負けた後輩に当たり散らしてるめちゃくちゃかっこ悪い先輩、

みたいな構図に見えるんじゃないか。

このタイミングで僕を叱るのはまずいだろ先輩。

そんなことを思ってやきもきしていた。

 

他の部員の顔を見渡すと、

やはりみんなにやにやと笑いながら僕らを見ている。

ああ駄目だ。完全にそういう構図としてとらえられている。

 

先輩は完全にそういう構図としてとらえられていることに気づかず、

ちゃんとやれよお前、みたいなことを言っている。

 

僕は完全にそういう構図としてとらえられていることに気づきつつも、

はい、すいません、気をつけます、みたいなことを言っている。

日常

犬がおやつの骨を噛み熟しながら僕の腕をじっと見つめている。

僕の腕を食っているイメージを頭に浮かべながら骨をかじっている。

食っていいぞ、と僕の腕をちぎって放ったら、この犬は喜んでむしゃぶりつくだろうと僕は確信している。

ものうい、かわうそ

夕食を一通り食べ終わったあとに、鍋の中に昨日の残りもののスープがあるのを見つけた。

傷む前に片付けてしまおうと、食器にそのスープを注いですすっていると、弟がぎょっとしたような顔をして、

「それ、さっき酢の物入ってた器?」と僕に聞く。

僕は答えずに、弟のほうを見ながら黙ってスープをすする。

「酢の物が入ってたやつやんな?」

弟は同じ質問を繰り返す。

僕は黙ってスープをすすり続ける。

口の中に広がるコンソメと酢の香り。スープの底にはタコときゅうりが沈んでいる。

Kindleから来たメールに書かれていたこと

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やかましいわ。

決意

僕がよく言うジョークの一つに、

「母は僕が生まれる前に死んじゃったんです」というのがある。

これが悲しいくらいに伝わらない。

「いや生きてるでしょ」とか「嘘じゃん」的な間違ったツッコミを入れられる。

もしくは

「そうなんだ…」とか「あっ、すいません…」的な間違ったリアクションを取られる。

でも折れない。

このジョークはこれからも言い続けていく。