思った。
タバコを買いに自販機まで歩いている途中、安井先輩に声をかけられた。
「久しぶり、元気してる?」
安井先輩というのは僕の高校の時の2つ上の先輩でバスケ部のキャプテンをやっていた人である。
その安井先輩の首が安井先輩の腹部にめり込んでいた。
「首を腹に入れたら肩こりがなくなったんだよ」と安井先輩は朗らかに言う。
僕はこれは夢だなぁ、と思った。
安井先輩とは入学する前に軽く話しかけられたことがあるだけで
ほとんど喋ったことがないので、こんなに気さくに話しかけてくるはずがない。
なので僕はこれは夢だなぁ、と思った。
思った。
覚醒
絵を描きながらいつの間にか眠っていたらしい。
それはちょっとピンと来ないですねぇ…という言葉を発しながら目を覚ます。
何の夢を見ていたのか全く思い出せない。
それはちょっとピンと来ないですねぇ…が頭の中でグルグルと回る。
作業に戻る。
午前7時40分
家の向かいの通りから女性の怒鳴り声が聞こえたので窓を開けて覗くと
中学生くらいの女の子が
その子よりもひと回り背の低い男の子の胸ぐらを両腕でつかんでいた。
僕は窓を閉じた。
午前7時40分。
アノ
いや、どの食品やねん。
見出しだけじゃなく詳細にも書いてないんかい。
何作らされんねん。
覚醒
4ヶ月ほど前からパチンコ屋でバイトしている。
台のエラー音が聞こえたらすぐさま駆けつける、ということを繰り返しているうちに、エラー音の幻聴が聞こえるようになってきた。
エラー音を聞いてダッシュで台に駆け寄ると、何のエラーも出ていない。
僕が「あれ?」という顔でキョロキョロしていると、
社員さんが僕の肩を叩いて
「とうとうお前も聞こえるようになったか…」と言う。
何かの能力に目覚めた気がして、少し嬉しくなった。